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第9回 Gateway to Life Scienceを開催しました

July 5 2024

「Gateway to Life Science」セミナーシリーズは、IRCMSがより市民に開かれた研究所となることを目指して実施しています。セミナーではIRCMSの研究者が自らが取り組む研究内容について非専門家でも理解できるように講演しています。Youtubeで各回のセミナー動画を公開していますので是非ご覧ください。

動画は以下のURLからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=6S4cDBNVfQk

日時:2024年6月27日
講演者:黒滝大翼 特任准教授
研究室名:免疫ゲノム構造学研究室 

  • 免疫が関係する疾患には花粉症、アトピー、風邪、食物アレルギー、ニキビなどがあります。
  • 免疫は自己と非自己を区別し、細菌やウイルスなど自分ではないもの(非自己)を攻撃します。
  • 免疫には様々な細胞が働いており、マクロファージ(貪食細胞)、好中球(貪食細胞)、NK細胞(殺す細胞)、キラーT細胞(殺す細胞)、ヘルパー細胞、B細胞(抗体をつくる細胞)、樹状細胞(免疫の司令塔)などがあります。
  • 免疫細胞は主に骨髄で作られ、造血幹細胞が増殖・分化していくことにより作られています。
  • 黒滝研究室では免疫細胞分化の過程で形成されるクロマチン高次構造が免疫細胞の分化や免疫応答にどのように関与するのかについて解析を進めています。
  • 採択された創発的研究支援事業(JST)ではクロマチン高次構造と免疫応答がどのように関係するのかについて研究を行う予定です。

Q&A:   

Q1. 自然免疫と獲得免疫のバランスは個人差があるのでしょうか。
はい。人によって好中球が多い人、T細胞が多い人など差があります。

Q2. 免疫細胞は一生作られ続けるのでしょうか?
T細胞の教育の場である胸腺は加齢とともに退縮し、老齢においては既存のレパートリーにのみ依存することになります。他の免疫細胞の産生は基本的に一生続くと考えられています。

Q3. 黒滝先生はどのような実験をしているのでしょうか?
DNAがどのような構造を形成しているのかを明らかにする研究を行っています。DNAの折りたたみ方や構造を理解する技術を持っています。

DSCF6933.JPGIMG_9492.jpgのサムネイル画像

パンデミックの経験を通して、私たちは科学に対する信頼について再考することができました。一般的に、大学や研究機関で行われている研究は、多くの人びとにとって必ずしも理解しやすいものではありません。基礎生物学や基礎医学など、私たちの研究所についても同じことが言えます。本セミナーを通じて、全IRCMSスタッフの科学コミュニケーション能力の涵養に努めます。