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第5回 Gateway to Life Scienceを開催しました

May 22 2024

IRCMSでは、「Gateway to Life Science」セミナーシリーズを開始しました。研究スタッフと非研究スタッフがこれまで以上に協力することにより、より市民に開かれた研究所を目指します。パンデミックの経験を通して、私たちは科学に対する信頼について再考することができました。一般的に、大学や研究機関で行われている研究は、多くの人びとにとって必ずしも理解しやすいものではありません。基礎生物学や基礎医学など、私たちの研究所についても同じことが言えます。本セミナーを通じて、全IRCMSスタッフの科学コミュニケーション能力の涵養に努めます。セミナーの内容については、今後Youtube等で公開予定です。

動画は以下のURLからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=APtG84pR0Iw&t=271s

日時:2024年5月16日
講演者:高橋 悠太 特任准教授
研究室名:エピジェネティック遺伝学研究室 

  • DNAは2万3千個の遺伝子が含まれているが、これらの遺伝子は常に発現しているわけではなく、制御され存在しています。
  • エピジェネティック修飾とは、DNAの塩基配列を変えずに遺伝子の発現を調節する仕組みです。この修飾は可逆的であり、さまざまな環境に対応可能です。例えば、暑い環境下では汗をかいたり、寒いときには体が震えたりするような反応も、遺伝子の発現調節によって制御されています。
  • 親が経験した悪い生活習慣(運動不足、ストレス、喫煙など)がエピジェネティック制御を通じて次世代に影響を与えることが研究で示されています。
  • 高橋研究室では独自のDNAメチル化編集技術を用いたマウスモデルを活用し、生活習慣病リスクの継承を予防することによって、罹患率低下を実現できるように研究を進めています。

Q&A:   

Q1.生活習慣病を遺伝した場合、健康的な生活を送ると生活習慣病を予防できますか?
エピジェネティック修飾は後天的なものであるため、健康的な生活を送ることで生活習慣病を予防することができると考えられます。

Q2. マウスとヒトの遺伝子の数は同じですか?
ほぼ同じです。ヒトとマウスは同じ哺乳類であり、共通点も多くあります。体の大きさは遺伝子の数に関係ありません。このためマウスを用いた実験がヒトの病気を治すのに役立っています。

Q3. ストレスも遺伝しますか?
遺伝子の変化は、環境要因(例:ストレス)に応じて起こることがあります。異常なエピジェネティック情報が誘導されると、その影響が次世代にも及ぶ可能性があります。

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