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[2/27] 第3回 Gateway to Life Scienceを開催しました

March 25 2024

IRCMSでは、「Gateway to Life Science」セミナーシリーズを開始しました。研究スタッフと非研究スタッフがこれまで以上に協力することにより、より市民に開かれた研究所を目指します。パンデミックの経験を通して、私たちは科学に対する信頼について再考することができました。一般的に、大学や研究機関で行われている研究は、多くの人びとにとって必ずしも理解しやすいものではありません。基礎生物学や基礎医学など、私たちの研究所についても同じことが言えます。本セミナーを通じて、全IRCMSスタッフの科学コミュニケーション能力の涵養に努めます。セミナーの内容については、今後Youtube等で公開予定です。

動画は以下のURLからご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=F9r6G38bf84

日時:2024年2月27日
講演者:佐田 亜衣子教授
研究室名:皮膚再生・老化研究室 

  • 皮膚の再生能力は表皮内に存在する幹細胞(ステムセル)によって支えられています。これらの幹細胞は新しい皮膚細胞を生み出し、同時に古い細胞を置き換える役割があります。
  • 年齢を重ねるごとに幹細胞の機能が低下すること(ステムセルエイジング)という現象があります。ステムセルエイジングが起こると、皮膚の再生や修復能力が低下し、シワやたるみなどの老化の徴候が現れやすくなります。
  • 幹細胞の動態や機能を調べることによってがんや疾患、老化を理解しようとする研究が行われています。
  • 佐田研究室では皮膚の幹細胞がどのように制御されているのか、なぜ老化や疾患で機能低下を起こしてしまうのかに着目し研究を行っている。

Q&A:    

Q1. 抗老化研究は何が行われていますか?
抗老化研究では、カロリー制限や適度な運動など、老化の原因とされる要因を制御することが重要視されています。最近の研究では、老化を制御する因子を特定し、それをマウスに投与することで抗老化効果が得られることが示されています。具体的に、どの因子が老化を促進し、どれが抑制するのか、そしてそれらの因子を制御する鍵となる分子を特定することが、老化のスピードを変える上で重要な要素となっています。

Q2. 細胞が分化したときにはコピーミスがおこるのですが?
細胞が分化する際には、コピーミスが発生する可能性があります。コピーミスは通常、細胞が分裂する際に起こりやすいとされており、分裂の際には幹細胞と同じ遺伝情報を維持する必要があります。幹細胞の自己複製や分裂の際にコピーミスが生じることがあり、これが老化の原因となります。時間の経過とともに炎症やがん化のリスクを増加させることが知られています。細胞にはコピーミスを防ぐ仕組みがあり、また、エラーが生じた細胞を皮膚から修復したり排除する仕組みも存在します。

Q3. 日焼けをすると老化の原因になりますか?
日焼けは間違いなく老化の原因の一つとされています。皮膚の重要なタンパク質であるコラーゲンやエラスチンを破壊し、細胞外マトリックスの損傷を引き起こすため、しわやたるみの原因となります。日焼け以外の要因としては食生活、運動、睡眠、ストレスも老化の要因として挙げられます。日焼けを避けること、健康な生活習慣を心がけることが重要です。

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