研究交流活動

森嶋 達也特任講師がルンド大学を訪問し、研究発表を行いました

Lund Stem Cell Center 20th Anniversary Conference(4月17日~19日)

Lund Stem Cell Center創立20周年を記念して開催されたカンファレンスに参加しました。会場はAF Borgenという歴史を感じさせる建物で非常に趣がありました(写真1)。地理的条件もありほとんどの参加者は欧州からであったが、およそ3年前から準備されていたとのことで300人を超える参加者があり盛会でした。かつてStem Cell Centerのdirectorを務めたSten Eirik Jacobsenによる6人のPIから始まり現在40人を超える規模にまで成長したStem Cell Centerの歴史の紹介で開会し、15人の招待講演と4つのshort talkのセッションで構成される会でした。招待講演は造血幹細胞から神経・心筋まで、基礎研究から臨床応用までバランス良く構成され、各分野の専門家が自分の仕事をサマライズして紹介する形でした。Short talkの数は多くなかったが、RNA修飾と血液悪性腫瘍についての研究など、自分の研究分野に近い話もあり興味深かったです。ポスターセッションでは自身のプロジェクトについてポスター発表を行いました。発表時間は30分と短かったが、著明な研究者と直接議論できる機会が得られ貴重な経験となりました。

 

Lund Stem Cell Center施設見学(4月20日)

カンファレンス終了翌日にはLund Stem Cell Centerの施設見学を行いました(写真2)。Stem Cell CenterにはFACSコアをはじめとしてレンチウイルスコアやバイオインフォマティクスコア等も整備され、それぞれ専任の職員が配置され研究をサポートする体制が整っているとのことでした。機器の充実度で言えばIRCMSも見劣りはしないが、このような人的サポートの面ではまだまだ差があると感じました。また研究室の廊下にはStem Cell Centerを卒業した歴代の学生・ポスドクの写真が掲示されており、同窓のつながりを大事にする空気を感じました。そのためもあってかStem Cell CenterでPhD取得後一旦外に出てポスドクとしてトレーニングを積んだ後、再びPIとして戻ってきてCenterを支えるという循環が機能しているということでした。

 

Lund-Kumamoto Hematopoiesis Meeting(4月21日)

最終日にはLund大学の血液系PIとIRCMSからの参加者の間の交流会に参加しました。会はそれぞれの参加者が自身のプロジェクトを紹介する形で進行しました。Lund側からは8人のPIの参加があり、Salamanderを用いた基礎的な研究から臨床サンプルのシークエンス解析の話まで多彩な研究が展開されていると感じました。会終了後はスウェーデンで毎週金曜日の午後に行われるというFikaと呼ばれるお茶会が催されました。ここではお茶を飲みながらLundのPIと打ち解けた雰囲気で交流を深めることができました。

 

以上学会参加だけでなくLund大学の研究者との交流もでき、実りある5日間の滞在でした。

 AF Borgen.jpg    20230421_Lund.pngのサムネイル画像

写真1 学会メイン会場のAF Borgen          写真2 Stem Cell Centerが入居している研究棟